子宮内膜擦過術(子宮内膜スクラッチ)

子宮内膜擦過術(子宮内膜スクラッチ)とは?

形態良好胚を移植しているにもかかわらず妊娠にいたらない場合、着床に問題がある着床不全である可能性があります。着床不全の原因のうち、子宮および卵管側の器質的要因 として子宮粘膜下筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮内膜症、子宮奇形、卵管水腫などが挙げられますが、その一方で、機能的要因として性ステロイドホルモンや胚因子の刺激に対する子宮内膜の反応異常に起因する胚受容能の異常などが考えられています。この問題に対処するための様々なアプローチ が検討されており、最近のいくつかの研究で、局所子宮内膜スクラッチ(スクラッチとは、「擦過」といって擦ることを意味します)により改善できることが示されています。

子宮内膜スクラッチの手順

  1. 胚移植を行う予定の前(通常は胚移植の1〜2周期前)に、子宮内に細いカテーテルを挿入し、子宮内膜を軽く擦過(スクラッチ)します。
  2. スクラッチにより、子宮内膜の修復過程が活性化されます。
  3. 修復過程で、着床に有利な環境(血管新生、免疫細胞の調節など)が整います。

子宮内膜スクラッチのメリット

  • 着床率の向上が期待できます。
  • 治療自体は短時間で、患者様の身体的負担は少ないです。
  • 自然周期でも、ホルモン補充周期でも行うことができます。

子宮内膜スクラッチの適応

良好胚を移植しているにも関わらず妊娠成立しない着床不全の方

当院では、専門医が患者様の状況を丁寧に評価し、最適なタイミングでスクラッチを行います。スクラッチは、子宮内膜の着床受容性を改善し、妊娠の可能性を高める有用な治療法です。ご興味のある方は、どうぞお気軽に当院までお問い合わせください。